星空
「ねぇ!
あの星をもっと近くで見に行こうよ!」
星を指しながら彼女は言った。
空は今までに無いくらい澄んでいた…
『うん!行こう!』
僕は迷いも無く答えた。
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空のあちこちに星々が埋め尽くされている。
その1つ1つ全てが鮮明に輝いている…
「ねぇ…やっぱり、星は綺麗だね‼︎」
『うん…綺麗だね…』
空は星でとても綺麗だった…
けど僕は綺麗な星とは違って、
少し濁したような答え方をしてしまう…
「どうしたの?体調悪いの?あ……
………もう、■■■くん。
こんな時までそんなこと考えて…
せっかく最後にこうやってふたりで星を見に来たのに…
そんな表情(かお)されたら、私も寂しくなるじゃん…
んっ………
ほらっ!最後ぐらい笑顔で居てよ!」
彼女は僕にキスをしてきた…
とても甘い味…甘い感覚がした…
その感覚が余計に別れを惜しんでしまう…
『…本当に消えちゃうの?
また、会える?
それとも、もう………』
「だーかーらー、
なんで君は最後の最後に女々しくなるんだ…
確かに消えるけど、
死ぬわけじゃないんだから…」
『…本当に?』
「私はきっと戻ってくるよ!
だから、そんな寂しい顔しないで。」
『…わかった。僕も頑張るよ…
ありがとう□□ちゃん!
僕、君と会えて良かったよ!
最後に一緒に星見れて、嬉しかったよ!』
僕は出来るだけの笑みを作って、
彼女に言った。
「無理してるのバレバレだよー。
でも、ありがと■■■くん…
じゃっ、最後に一緒に星を眺めながら寝よっか?」
『うん!』
夜が明けると彼女は消える…
次、いつ会えるかはわからないけど、
僕は彼女と手を繋いだまま眠りについた…
また、会えると信じて………